それぞれの役割 ~病診連携のお話~
今週は少々体調不良を引きずった状態ではありましたが、休まずに仕事をこなせました。
でも、さずがに休憩なしではできず、とうとう勤務中に横にならせてもらいました。
でも、さずがに休憩なしではできず、とうとう勤務中に横にならせてもらいました。
一応仕事部屋を用意していただいた当初からベッドは用意されていたのですが、
肝っ玉が小さいせいでしょうか、ずっと使わないつもりでいました。
・・・誰か入ってこないかな?・・・
ドキドキしながらも、倦怠感には勝てず・・・。眠ってました。見事に。
それはともかくとして、病診連携のお話です。
僕の勤務先の病院は、最近は少しベッドが空いている状態です。
本来この時期なら、脱水症状などで調子を崩した高齢者がたくさん入院してくる頃なのですが。
『それならば』と、スタッフたちは、入院中の患者さんとじっくり接するように心掛けることにしたそうです。
満床になるとバタバタしてしまって十分な関わりが持てなくなるので、たまにはこういう不景気な(?)状態もいいかもしれません。
しかし、それもつかの間・・・。昨日くらいから病棟の様子が変わっていました。
どうやら、この地域の基幹病院で全身火傷の皮膚移植手術を受けた患者さんが、こちらへ転院してきたようです。
入浴に30~40分(それも職員2人による介助で)、術創の処置にこれまた40分(これも2人で)・・・。
看護業務の中での30~40分という時間は、かなりの時間です。これだけあればなんでもできます。
おそらく10人程度の患者さんのおむつ交換も十分できるし、カルテ記録もやはり10人分くらいはできるでしょう。
(※10人といえば、たいていの看護師が1日の日勤業務で受け持つ患者数です。)
「な、患者さんの人数じゃないのよ、やっぱり。してあげたいことを思いついても、なかなかじっくりとはできんねぇ。」
「この仕事だけは、私らが患者さんの状況にあわせていくものだからねぇ。でも、たった一人よ。たったこれだけの違いよ。・・・私らがしてあげられることなんて、たかが知れてるねぇ・・・。」
古株の職員が僕にそう話してくれました。今日からまた、ドタバタの日々が始まったようです。
(これは日本全体に言える事ですが)看護師になってくれる人、もっと増えてくれたらいいのになぁ・・・。
ずっと以前は、手術をした病院が最後まで患者さんの治療や看護をして、しっかり完治してから、 ”退院おめでとう” でしたよね。
でも、今は違いますね。
一次医療(かかりつけ医)から三次(高度先進)医療まで、一地域内の病院を分類してそれぞれに役割を分担しています。
うちの病院は200床を超えるベッド数をもつ病院ですが、三次医療を担う施設ではありません。
そのベッド数の中で、ごく小規模ながら一般病床を有してますので、
地域の基幹病院で積極的治療を受けた患者が術後の急性期を脱したら、『病診連携』にて転院してきます。
積極的治療ではなく、『療養』が主たる役割なのです。
また、がん患者も同じです。
手術や化学療法を地域のがん拠点病院で受け続けて、いよいよ治療法がなくなると、終末期の患者さんとして当院で受け入れます。
(※うちはホスピス病棟ではありません。あくまで一般病床ですので、『医療処置(点滴管理や経管栄養の管理など)が必要な患者』という名目が、入院条件として必要です。)
僕はずっとそういう形で、がん患者さんと関わってきました。だから自分自身の先の姿が見えるようで・・・、といった具合なのです。
こうした状況に加えて、かつての「療養病床の大幅縮小」という医療行政。
増え続ける医療費抑制のために始まった国の施策です。ご存知でしょうか?
病診連携と療養病床の廃止。このふたつが大きく影響して、今日の ”がん難民” が生まれたとも言えるでしょうか。
2000年の介護保険制度の施行と並行して、在宅医療というものが行われていますが・・・。
核家族化が当たり前となった今の状況では、到底無理な話です。
『脳卒中とがん』。この二つは、日本人の死因ワースト3の中の2つです。(←残り1つは、心筋梗塞などの虚血性心疾患です。)
この二つは(若年のがん患者は例外として)、日常生活に支障をきたすほどの病状になってから臨終までが、結構長期間に及びます。
それを、お嫁さんがあるいは年老いた配偶者が、在宅で単身で介護するのは・・・。悲惨な話です。
今後20年くらいは、団塊の世代が高齢化して、どんどん医療・介護を必要とする時代に突入します。
こんなご時勢に、病床数を削減してる場合か?医療費を抑制している場合なのでしょうか?


肝っ玉が小さいせいでしょうか、ずっと使わないつもりでいました。
・・・誰か入ってこないかな?・・・
ドキドキしながらも、倦怠感には勝てず・・・。眠ってました。見事に。
それはともかくとして、病診連携のお話です。
僕の勤務先の病院は、最近は少しベッドが空いている状態です。
本来この時期なら、脱水症状などで調子を崩した高齢者がたくさん入院してくる頃なのですが。
『それならば』と、スタッフたちは、入院中の患者さんとじっくり接するように心掛けることにしたそうです。
満床になるとバタバタしてしまって十分な関わりが持てなくなるので、たまにはこういう不景気な(?)状態もいいかもしれません。
しかし、それもつかの間・・・。昨日くらいから病棟の様子が変わっていました。
どうやら、この地域の基幹病院で全身火傷の皮膚移植手術を受けた患者さんが、こちらへ転院してきたようです。
入浴に30~40分(それも職員2人による介助で)、術創の処置にこれまた40分(これも2人で)・・・。
看護業務の中での30~40分という時間は、かなりの時間です。これだけあればなんでもできます。
おそらく10人程度の患者さんのおむつ交換も十分できるし、カルテ記録もやはり10人分くらいはできるでしょう。
(※10人といえば、たいていの看護師が1日の日勤業務で受け持つ患者数です。)
「な、患者さんの人数じゃないのよ、やっぱり。してあげたいことを思いついても、なかなかじっくりとはできんねぇ。」
「この仕事だけは、私らが患者さんの状況にあわせていくものだからねぇ。でも、たった一人よ。たったこれだけの違いよ。・・・私らがしてあげられることなんて、たかが知れてるねぇ・・・。」
古株の職員が僕にそう話してくれました。今日からまた、ドタバタの日々が始まったようです。
(これは日本全体に言える事ですが)看護師になってくれる人、もっと増えてくれたらいいのになぁ・・・。
ずっと以前は、手術をした病院が最後まで患者さんの治療や看護をして、しっかり完治してから、 ”退院おめでとう” でしたよね。
でも、今は違いますね。
一次医療(かかりつけ医)から三次(高度先進)医療まで、一地域内の病院を分類してそれぞれに役割を分担しています。
うちの病院は200床を超えるベッド数をもつ病院ですが、三次医療を担う施設ではありません。
そのベッド数の中で、ごく小規模ながら一般病床を有してますので、
地域の基幹病院で積極的治療を受けた患者が術後の急性期を脱したら、『病診連携』にて転院してきます。
積極的治療ではなく、『療養』が主たる役割なのです。
また、がん患者も同じです。
手術や化学療法を地域のがん拠点病院で受け続けて、いよいよ治療法がなくなると、終末期の患者さんとして当院で受け入れます。
(※うちはホスピス病棟ではありません。あくまで一般病床ですので、『医療処置(点滴管理や経管栄養の管理など)が必要な患者』という名目が、入院条件として必要です。)
僕はずっとそういう形で、がん患者さんと関わってきました。だから自分自身の先の姿が見えるようで・・・、といった具合なのです。
こうした状況に加えて、かつての「療養病床の大幅縮小」という医療行政。
増え続ける医療費抑制のために始まった国の施策です。ご存知でしょうか?
病診連携と療養病床の廃止。このふたつが大きく影響して、今日の ”がん難民” が生まれたとも言えるでしょうか。
2000年の介護保険制度の施行と並行して、在宅医療というものが行われていますが・・・。
核家族化が当たり前となった今の状況では、到底無理な話です。
『脳卒中とがん』。この二つは、日本人の死因ワースト3の中の2つです。(←残り1つは、心筋梗塞などの虚血性心疾患です。)
この二つは(若年のがん患者は例外として)、日常生活に支障をきたすほどの病状になってから臨終までが、結構長期間に及びます。
それを、お嫁さんがあるいは年老いた配偶者が、在宅で単身で介護するのは・・・。悲惨な話です。
今後20年くらいは、団塊の世代が高齢化して、どんどん医療・介護を必要とする時代に突入します。
こんなご時勢に、病床数を削減してる場合か?医療費を抑制している場合なのでしょうか?

