痛みのコントロールは難しい
ここ2週間ほど体調が思わしくなく、なかなか思うように起きていられませんでした。
身体の痛みが強かったのです。
身体の痛みが強かったのです。
仙骨(骨盤の一部で、脊椎の最下端に位置します。いわゆる ”尻尾” が退化したような部分)の痛みと、
坐骨神経痛でした。
坐骨神経痛は腰椎と仙骨から出ている神経(腰仙骨神経叢)が下肢末梢にかけて伸びたものですので、両者の痛みは関係が深い場合があります。
僕の場合、
もしも痛みが一向に治まらなければ、腰椎か仙骨の骨転移巣の増大による神経圧迫が考えられるところでしたが、
今回は一時的なもので済みましたので、これは否定できました。安心です。
おそらく、お尻の深部にある梨状筋という筋肉の炎症によって、坐骨神経が圧迫されたのだろうと思います。
仙骨の痛みの原因は・・・。『?』ですが・・・。
脊椎に転移があると激しい運動ができませんから、ひとたび痩せて筋肉が衰えると、後々いろいろな影響が出るもんです。
梨状筋の炎症も仙骨痛も、その一つでしょうか?
このように、痛みの原因の特定は、すぐにはできない場合があるものです。
実際8月3日の診察時に、主治医からはしばらく様子を見るように言われてました。
それにしても・・・、痛みが出現し始めてからの2週間は、あれこれ考えるのも辛かったですね。
なにせ5分も座っていられないのです。
ならば!と思い、寝ていようとしても、右の臀部に体重がかかると、途端に神経痛が!
経験がある方ならお解かりでしょうか?
痛みが生活そのものに影響する程のレベルになると、精神的に追い込まれます。
『癌の痛みは、心を蝕む』と言われる所以の一端は、こういうところにあるのでしょうか。
痛みが強かった頃は、食事も睡眠もゆっくりできませんでした。とにかく患部の徐圧と安静あるのみでしたから。
一応、医療用麻薬の量も増やしてはもらいましたが・・・。
そもそも麻薬は万能ではありません。何にでもてきめんに効くものではないです。
『癌の末期=緩和ケア=モルヒネ投与』などというイメージを持たれている方は、こう聞くと「じゃぁ、ダメじゃん」と失望してしまったでしょうか?
上記のイメージ自体がそもそも間違いだということは、以前の記事に綴りましたが・・・。
(がん関連でおきやすいものの中で)モルヒネでの緩和が困難な疼痛として、
①骨転移による疼痛⇒放射線治療が奏功する。薬はNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)を併用。
②神経因性疼痛(神経そのものの障害や損傷が原因となる痛み)⇒ステロイド薬・抗うつ薬・抗けいれん薬などを併用する。しかし、いずれも副作用が強いため使用が困難。神経ブロックが一時的には効くが、裏を返せば「たびたび外来に来て、定期的にブロック注射をし続ける必要がある」ということ。
③消化管穿孔などによる疼痛⇒消化器がんの末期像。こうなると鎮静薬にて意識そのものを途絶えさせる以外、有効な手段はなかなかないようです。
細かく言えば他にもいろいろあるようですが・・・。
それに、全く効かないというわけではなく、『完全な徐痛は困難』ということでしょうか。ケース・バイ・ケースのようです。
よって、モルヒネも投与しながら、他の鎮痛薬や鎮痛補助剤を併用するという具合になるのです。
(もちろんこれはごく一般的な教科書上の話であり、実際の処方は患者さんそれぞれに対して主治医の判断により異なります。)
なんにしても痛みのコントロールは難しいものです。
自覚症状でしか判断できない。
原因は多種多様だが、ハッキリと判別できるとも限らないので有効な治療法が見つけにくい。
などなど・・・。
結局は患者自身が『痛み日記』をつけて、主治医に報告することが一番有効でしょうか?
「何時に」・「どこの部位から」・「どのような感じの痛みが」・「どのくらいの強さ出たか」
あとは、
「(定期薬・頓服含め)鎮痛薬をいつ服用したか」「飲んでからどのくらいの時間で、どの程度痛みが緩和されたか」なども書き留めておくと良いかと。
僕は以前に、モルヒネ徐放剤を12時間ごとに服用していたけど上手くいかず、
「それならば・・・」と記録を書きとめてみると・・・、
服用時間が近づく頃になると痛みが強くなっていることがわかり、『薬の効果が12時間持続していない』ことが判明し、
8時間ごとの服用に変更してもらって、やっと完全な徐痛に至ったことがあります。
まあ、いつでもそう上手くいくわけではないですが・・・。
抗がん剤治療が効かなくなっていき、体力が低下していく中で痛みが増強し始めたら・・・。
几帳面に痛み日記などつけている余裕はないでしょうね。
こんなことになったら、ご家族の協力が大切ですね。
元気なうちから、癌に関わる諸症状は常にご家族にもきちんと知ってもらっておき、
いつでも協力いただけるようにしていきたいものですね。


坐骨神経痛でした。
坐骨神経痛は腰椎と仙骨から出ている神経(腰仙骨神経叢)が下肢末梢にかけて伸びたものですので、両者の痛みは関係が深い場合があります。
僕の場合、
もしも痛みが一向に治まらなければ、腰椎か仙骨の骨転移巣の増大による神経圧迫が考えられるところでしたが、
今回は一時的なもので済みましたので、これは否定できました。安心です。
おそらく、お尻の深部にある梨状筋という筋肉の炎症によって、坐骨神経が圧迫されたのだろうと思います。
仙骨の痛みの原因は・・・。『?』ですが・・・。
脊椎に転移があると激しい運動ができませんから、ひとたび痩せて筋肉が衰えると、後々いろいろな影響が出るもんです。
梨状筋の炎症も仙骨痛も、その一つでしょうか?
このように、痛みの原因の特定は、すぐにはできない場合があるものです。
実際8月3日の診察時に、主治医からはしばらく様子を見るように言われてました。
それにしても・・・、痛みが出現し始めてからの2週間は、あれこれ考えるのも辛かったですね。
なにせ5分も座っていられないのです。
ならば!と思い、寝ていようとしても、右の臀部に体重がかかると、途端に神経痛が!
経験がある方ならお解かりでしょうか?
痛みが生活そのものに影響する程のレベルになると、精神的に追い込まれます。
『癌の痛みは、心を蝕む』と言われる所以の一端は、こういうところにあるのでしょうか。
痛みが強かった頃は、食事も睡眠もゆっくりできませんでした。とにかく患部の徐圧と安静あるのみでしたから。
一応、医療用麻薬の量も増やしてはもらいましたが・・・。
そもそも麻薬は万能ではありません。何にでもてきめんに効くものではないです。
『癌の末期=緩和ケア=モルヒネ投与』などというイメージを持たれている方は、こう聞くと「じゃぁ、ダメじゃん」と失望してしまったでしょうか?
上記のイメージ自体がそもそも間違いだということは、以前の記事に綴りましたが・・・。
(がん関連でおきやすいものの中で)モルヒネでの緩和が困難な疼痛として、
①骨転移による疼痛⇒放射線治療が奏功する。薬はNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)を併用。
②神経因性疼痛(神経そのものの障害や損傷が原因となる痛み)⇒ステロイド薬・抗うつ薬・抗けいれん薬などを併用する。しかし、いずれも副作用が強いため使用が困難。神経ブロックが一時的には効くが、裏を返せば「たびたび外来に来て、定期的にブロック注射をし続ける必要がある」ということ。
③消化管穿孔などによる疼痛⇒消化器がんの末期像。こうなると鎮静薬にて意識そのものを途絶えさせる以外、有効な手段はなかなかないようです。
細かく言えば他にもいろいろあるようですが・・・。
それに、全く効かないというわけではなく、『完全な徐痛は困難』ということでしょうか。ケース・バイ・ケースのようです。
よって、モルヒネも投与しながら、他の鎮痛薬や鎮痛補助剤を併用するという具合になるのです。
(もちろんこれはごく一般的な教科書上の話であり、実際の処方は患者さんそれぞれに対して主治医の判断により異なります。)
なんにしても痛みのコントロールは難しいものです。
自覚症状でしか判断できない。
原因は多種多様だが、ハッキリと判別できるとも限らないので有効な治療法が見つけにくい。
などなど・・・。
結局は患者自身が『痛み日記』をつけて、主治医に報告することが一番有効でしょうか?
「何時に」・「どこの部位から」・「どのような感じの痛みが」・「どのくらいの強さ出たか」
あとは、
「(定期薬・頓服含め)鎮痛薬をいつ服用したか」「飲んでからどのくらいの時間で、どの程度痛みが緩和されたか」なども書き留めておくと良いかと。
僕は以前に、モルヒネ徐放剤を12時間ごとに服用していたけど上手くいかず、
「それならば・・・」と記録を書きとめてみると・・・、
服用時間が近づく頃になると痛みが強くなっていることがわかり、『薬の効果が12時間持続していない』ことが判明し、
8時間ごとの服用に変更してもらって、やっと完全な徐痛に至ったことがあります。
まあ、いつでもそう上手くいくわけではないですが・・・。
抗がん剤治療が効かなくなっていき、体力が低下していく中で痛みが増強し始めたら・・・。
几帳面に痛み日記などつけている余裕はないでしょうね。
こんなことになったら、ご家族の協力が大切ですね。
元気なうちから、癌に関わる諸症状は常にご家族にもきちんと知ってもらっておき、
いつでも協力いただけるようにしていきたいものですね。

